多機能なアンビエントペダルのShift Line Astronaut Vが登場
Shift Lineから、多機能なアンビエントペダルの「Astronaut V」が発売されます。
概要
Astronaut Vは、ARMプロセッサー、Cortexテクノロジー、Analog Devicesのコーデックをベースとし、トラディショナルなリバーブアルゴリズムから複雑な音響、アルペジエーターまで、多彩な空間的、宇宙的サウンドを作るマルチリバーブユニットで、リバーブだけでなく、ディレイやマイクロサンプラー、フリーズなど多彩なサウンドを作ることができるようです。
そして、ソフトタッチのバイパススイッチや最後の残響を残すTail切り替え、フルレンジドライ/ウェットミックス(100%ウェットも可能)など、現代的な機能をシンプルにまとめ、音楽的で高い操作性によって、複雑なサウンドスケープを簡単に作ることができるようです。
また、33種類のプリセットを保存することができ、多彩なサウンドに素早くアクセス可能なようです。
さらに、デュアルモノラルサウンドプロセッシングによって、ステレオインプットシグナルのシーンを保持され、ドライとウェットシグナル間にはVCAベースのクロスミックスがあり、キルドライモードにもスムースに移行でき、ドライシグナルはデジタルに変換されない、アナログドライスルー構造のようです。
コントロール
各ノブには、デュアルコントロール機能があり、ノブとスイッチが状況に応じて異なる機能を持つことがあるようです。
そして、直接アクセスできる主な機能はペダルに太字でラベリングされているようです。
また、TAP/ALTフットスイッチを押しながらコントロールするオルタネート機能は、ペダルでは四角に囲われてラベリングされているようです。
コントロールは以下のようです。
PROGRAM オルタネート機能時はCOPY SETTING | バンクからプリセットプログラムやリバーブアルゴリズムを選択(PROGRAM)。 TAP/ALTを放したとき、現在のコントロール値を選択したすべてのプログラムスロットにコピー(COPY SETTING)。 |
X-MIX オルタネート機能時はLPF | ドライシグナルとウェットシグナルのクロスミックスをコントロール(X-MIX)。 ウェットシグナルの高域を減衰(LPF)。 |
PDL/TIME オルタネート機能時はSTEREO | プリディレイ(RVバンクのアルゴリズム)またはタイムインターバル(FXバンクのアルゴリズム)をコントロールし、BEATスイッチと連動して動作(PDL/TIME)。 ステレオイメージの幅を調整(STEREO)。 |
DECAY オルタネート機能時はHPF | リバーブ・ディレイの減衰をコントロールし、ON/HOLDフットスイッチを長押しすると、このノブを最大にしたのと同じ動作(DECAY)。 ウェットシグナルの低域を減衰(HPF)。 |
CHARACTER オルタネート機能時はVOLUME | 選択したアルゴリズムにより異なる機能となる(CHARACTER)。 最大+10dBまでのブーストができるボリュームコントロールで、ドライシグナルとウェットシグナルの両方に影響(VOLUME)。 |
BANK | プログラムバンクを選択。 上ポジション(UD)はユーザーの選択したアルゴリズム、中央(FX)は空間系エフェクト、下ポジション(RV)はリバーブエフェクトとなる。 TAP/ALTフットスイッチを押したままスイッチの位置を変更すると、コピーした設定が別バンクに移動。 |
BEAT | PDL/TIMEノブまたはTAPフットスイッチで設定したテンポに対し、エフェクトに設定される時間の倍率を設定。 上ポジションは1/1(4分音符)、中央は3/4(付点8分)、下ポジションは2/3(3連符)となる。 |
ON/HOLD | エフェクトON/OFFを切り替えるフットスイッチ。 長押しするとホールドモードとなり、DECAYパラメータが徐々に長くなる。 ダブルタップでクイックアクセスプログラム(UDバンク)のプログラム1が選択可能。 長押ししながらBEATスイッチを変更するとバイパスタイプを選択でき、BEATスイッチが上のときはリバーブテイルが有効となり、下のときはリバーブテイルがカットされる。 |
TAP/ALT | 数回タップしてテンポをタップテンポで設定。 テンポは2回連続でタップされるごとに設定。 Forceアルゴリズムを選択しているときは、このフットスイッチはフリーズとなる。 長押しするとLEDが青く点灯し、各ノブのオルタネート機能にアクセスでき、このときはノブを動かしてセカンダリパラメータをコントロールしても、プライマリコントロールには影響しない。 逆も同様だが、見た目上ノブの位置とパラメータが異なるため注意。 このフットスイッチを押したままBANKスイッチの位置を変更すると、コピーした設定が別バンクに移動。 |
アルゴリズム
22種類のエフェクトアルゴリズムがあり、2つのメインバンクに分割されているようです。
そして、RVバンクには様々なリバーブフレーバーが収録され、FXバンクにはディレイ、複雑なエフェクトやアルペジエーター、マイクロサンプラーが収録されているようです。
また、すべてのアルゴリズムは、ステレオで使用することができるようです。
RVバンク
RVバンクでは、PDL/TIMEとTAPフットスイッチは常に設定されたテンポに対して1/16の比率でリバーブのプリディレイを設定するようです。
そして、LPFおよびHPFノブは、RVバンクの各アルゴリズムの出力に影響するようです。
RVバンクのエフェクトアルゴリズムは以下のようです。
クラシックリバーブアルゴリズム | 1.Spring クラシックなキャラクターのスプリングリバーブ。 CHARACTERノブでエフェクトの明るさと強度をコントロールし、トラディショナルなスタジオエフェクトからギターアンプスタイルのブライトなトーンまで調整可能。 2.Plate 長年にわたり多くのスタジオレコーディングで使用されたプレートリバーブサウンド。 CHARACTERノブでプレートサイズやプレートの様々なパラメータによる変化をコントロール。 3.Room 厳密に言えば、単なるルームリバーブではない。 DEXCAYとCHARACTERノブの位置に応じて、小さなアンビエンスから大きなホールのようなサウンドスケープまで設定可能。 CHARACTERノブはアーリーリフレクションをコントロール。 4.Modulated リバーブの残響にモジュレーションをかけたリバーブ。 CHARACTERノブでモジュレーションの深さをコントロールし、PDL/TIMEノブでLFOスピードとプリディレイタイムを設定。 |
未来的なリバーブ | 5.Skynet 広大なサウンドスケープを作ることのできる明るい未来的なスペースリバーブ。 アンビエントミュージックなどに最適。 CHARACTERノブでリバーブの滑らかさをコントロール。 6.Skynet-2 Skynetのダークバージョン。 CHARACTERノブでリバーブの質感を粒のような品質から滑らかなアタックまで調整。 7.Mechanics 機械的な品質で幻想的なサウンドスケープを作る未来的なリバーブ。 エコーの軌跡が変化。 CHARACTERノブとPDL/TIMEノブでスペースサイズをコントロール。 |
シマーリバーブ | 8.ShimUp-2 クラシックなオクターブアップのシマーリバーブ。 CHARACTERノブでリバーブテールのオクターブボリュームを調整。 9.ShimUp 独自のサウンドフレーバーを持つオクターブアップシマーリバーブのバリエーション。 CHARACTERノブでリバーブテールのオクターブボリュームを調整。 10.ShimUpDown 残響に上下オクターブを同時に付加するシマーリバーブ。 濃密な雰囲気を作ることができる。 CHARACTERノブはCHARACTERノブでリバーブテールの上下オクターブボリュームを調整。 11.ShimDown オクターブダウンのシマーリバーブで、演奏パートに重みを加える。 CHARACTERノブでリバーブテールのオクターブボリュームを調整。 HPF・LPFノブでパッドのようなサウンドに調整することも可能。 |
FXバンク
FXバンクのアルゴリズムは大きく分けて、ディレイ、アルペジエーター、複雑なエフェクト、フリーズリバーブ/マイクロサンプラーの4つのようです。
ディレイ | 様々な音質のディレイアルゴリズム。 DECAYノブはリピート数(フィードバック)をコントロール。 PDL/TIMEノブとTAPフットスイッチでディレイタイムを設定。 ディレイアルゴリズムはLPFがディレイループで動作するので、トーンとHOLD操作の両方に影響。 LPFを反時計回り最小にするとリピート回数が最大になる。 |
アルペジエーター | 特定のスケールからランダムに選択されたノートをシグナルに追加。 PDL/TIMEノブとTAPスイッチでアルペジオレートを16分音符で設定。 BEATスイッチの値も考慮される。 CHARACTERノブはボリュームをコントロール。 アルペジエートされたノートとインプットシグナルのミックスはリバーブを通る。 |
複雑なエフェクト | これらのアルゴリズムは設定に応じて音の壁やリズミカルパターンを作ります。ロータリースピーカーとリバーブを組み合わせたようなサウンドを作ることができます。モジュレーションレートはPDL/TIMEとTAPスイッチで設定します |
フリーズリバーブ/マイクロサンプラー | DECAYノブはウェット・ドライのミックスとして機能。 CHARACTERノブは周波数全体に機能し、フリーズしたシグナルをミュートすることもできるレゾナントローパスフィルターをコントロール。 HPF/LPFノブは通常通り機能し、フリーズしたシグナルの微調整が可能。 シグナルは最初にキャプチャされ、ONフットスイッチを押すとフリーズ。 シグナルをキャプチャしたらTAPフットスイッチで新しいシグナルをキャプチャ可能。 HOLDフットスイッチを押し続けるとPDL/TIMEノブで設定した方向にフリーズしたシグナルがデチューン。 PDL/TIMEノブが12時以下の場合は下、12時以上の場合は上方向にデチューン。 |
また、FXバンクの全エフェクトアルゴリズムは以下のようです。
ディレイ | 1.Paradox X-FIディレイ。 CHARACTERノブが反時計回り最小のとき、このアルゴリズムは通常のディレイのように動作。 CHARACTERノブを回すとビットレートが徐々に低下し、ディレイバッファーが増加。 ビットレート変更は音程によって関連。 CHARACTERノブ自体が楽器のように機能し、最大ディレイタイムも制御。 CHARACTERノブが時計回り最大のとき、最大ディレイタイムは30秒を超える。 LPFノブとDECAYノブを時計回り最大にするとローファイルーパーになる。 2.Reverse リピートが逆再生されるリバースディレイ。 CHARACTERノブでウェットシグナルとオクターブシグナル(4倍速再生)のバランスを調整。 伝統的なリバースディレイだけでなく高周波を含んだ音楽的なディレイトーンを作ることが可能。 3.Reverdox リバーブとディレイを組み合わせたアルゴリズム。 リピート再生が順方向と逆方向を交互に行い、独特のシーソー効果を生み出す。 CHARACTERノブはリピートのアタックとディケイをコントロール。 反時計回り最小ではエフェクトの粒上の性質がはっきりと聞こえる。 時計回り最大ではまろやかなサウンドになる。 DECAYを高くすると発振することがある。 |
アルペジエーター | 4.Eva Maj 演奏パートに明るい雰囲気を加えるメジャースケールアルペジエーター。 5.Eva Min メランコリックな楽曲に最適なマイナースケールアルペジエーター。 6.Eva Octave 演奏するノートにランダムなオクターブを加える。 コードと相性がよく、豊かなサウンドを作る。 7.Eva Random 完全にランダムな音を加えるカオスなアルペジエーター。 ホラーのような楽曲やアイディアノートなどとして使うことができる。 |
複雑なエフェクト | 8.Universe M1 このアルゴリズムは顕著なフェージングとパンニングがある。 CHARACTERで位相とパンの深さを制御。 9.Universe M2 フランジャーをベースにした複合エフェクト。 CHARACTERノブでモジュレーションの深さを調整。 |
フリーズリバーブ/マイクロサンプラー | 10.Force Roar オルガンのようなサウンドキャラクターのオクターブアップマイクロサンプラー。 11.Force OctDn 重厚なサウンドを作るオクターブダウンマイクロサンプラー。 |
インフィニティモード
HOLDフットスイッチを0.3秒以上長押しすると、一時的にDECAYを最大にした音色に変わるインフィニティモードとなるようです。
このモード中は、リバーブが無限、または2~5分と長く設定され、ディレイのフィードバックは最大になり、LEDがマルチカラーで点滅するようです。
そして、フットスイッチを離すと、DECAYが元の設定に戻るようです。
また、Force RoarおよびForce OctDnアルゴリズムは無限サステインに基づいているので、PDL/TIMEノブでデチューン方向を設定し、HOLDフットスイッチでフリーズしたシグナルをデチューンするようです。
クイックアクセス
クイックアクセス機能を使用すると、選択中のプログラムからUDバンクの最初のプログラムに素早く切り替えることができるようです。
そして、クイックアクセスプログラムをロードまたは終了するにはONフットスイッチをダブルタップするようです。
また、クイックアクセスが有効なときは、ノブを回すからスイッチを切り替えない限り、パラメータは変更されないようです。
さらに、クイックアクセス機能は、セットアップモードまたはConfigファイル経由でCTRLインプットに割り当てることもでき、同様にクイックアクセス機能を無効にすることも可能なようです。
外部からコントロール
ユニバーサルCTRLジャックによって、アナログトリガーやエクスプレッションペダル、MIDIからのコントロールに対応するようです。
そして、ペダルのパラメータを外部からコントロールすることができるようです。
また、以下のような動作モードがあるようです。
パッシブコントローラー (ノーマリオープンモメンタリスイッチ) | フットスイッチを外部からコントロール。 TIPはTAP/ALT、RINGはON/HOLDスイッチとなる。 |
MIDIコントロール (タイプA) | このモードはデフォルトでアクティブになっている。 |
Sトリガー (短絡トリガー) | ペダルと同じ極性のアナログトリガー/ゲート。 TIPはTAP、RINGははHOLDをコントロール。 このタイプのトリガーを推奨。 |
Vトリガー (電圧トリガー/ポジティブトリガー) | ペダルと逆極性のアナログトリガー/ゲート。 外部シグナルがCTRLに入力されていないとき、LEDが点灯し、ペダルの機能の一部が無効になる。 CTRLにシグナルが入力されると有効になる。 TIPはTAP、RINGはHOLD機能をコントロール。 Sトリガーがない場合など、どうしてもVトリガーを接続する場合はこちらを使用するが、Sトリガーを推奨。 |
パッシブエクスプレッションペダル | DECAYノブをエクスプレッションペダルでコントロール。 接続はTS(モノラル端子)のエクスプレッションペダルを推奨。 エクスプレッションペダルは10-25kΩに対応。 |
パッシブコントローラー(ノーマリオープンモメンタリスイッチ)またはアナログSトリガー | TIPでクイックアクセス、RINGでTAP機能をコントロール。 |
まとめ
- 多機能なアンビエントペダル
- 現代的な機能をシンプルにまとめた
- 一時的にDECAYを最大にした音色に変わるインフィニティモードがある
- ペダルのパラメータを外部からコントロール可能
Shift Lineから、多機能なアンビエントペダルが出ますね。
アンビエントペダルを探している人は、検討してみてはいかがでしょうか。
Astronaut Vについてはこちらを参照してください。
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